今月の東洋医学女子
福田真奈美
兵庫県生まれ
奈良県生駒郡斑鳩町在住
神戸女学院大学文学部卒業
2016年京都仏眼鍼灸理療専門学校卒業
鍼灸師
按摩マッサージ指圧師
東洋医学女子の働き方
2018年奈良県奈良市に『女性臨床鍼灸ならまち月燈』開業
週3日勤務。あとの週4日は3人の鍼灸師に業務委託として勤務していただいている
2021年同フロアにリラクゼーション『つきのあかり』開業
2021年『東洋医学女子会』サイト開設
東洋医学女子の物語
history
大学卒業後、一般企業の営業職として就職。
一年後退職、結婚。結婚相手の家業であった料理旅館で20年間就業。
子育てしながら、サービス、営業、総務、人事など諸事一般フルタイムで働く。
離婚後、42歳の時に京都仏眼鍼灸理療専門学校入学。
卒業後、整形外科付属東洋医学センターでリハビリスタッフ兼鍼灸あマ指スタッフとして2年勤務。
並行して開業準備、47歳で『女性臨床鍼灸ならまち月燈』を同期と2人で開業。
3年目に更に2人の鍼灸あマ指師を曜日担当として迎え、業務委託として働いていただく。
週5日から週3日の曜日担当となる。
4年目にリラクゼーションルーム『つきのあかり』開業。
最高に気持ちの良いマッサージ指圧を探究中。
2021年、『東洋医学女子会』サイト開設。
story
私が東洋医学に興味をもったきっかけは、30代の関節リウマチの闘病体験でした。
仕事も子育てもいっぱいいっぱいで、自分の時間も取れず、ストレスを溜めこみ、アルコールがなければ眠れないような毎日に、突然関節の激しい痛みに襲われ、不安な日々を過ごしていました。
10か所を超える数の整形外科を受診しましたが、どこにいっても鎮痛剤での対症療法と新薬の治験を勧められるだけで根本的な治癒に至ることはありません。そんな時に漢方や整体と出会い、西洋医学的な治療とはまた違う観点からの治癒というものに強く惹かれました。
もともと、大学では心理学専攻だったこともあり、人のこころとからだの繋がりについて、東洋医学的なものの見方を改めて学びたいと思って門を叩きました。
42歳という年齢は最高齢かと思いきや、まだまだ人生の先輩がたくさんおられ、専門学校での3年間は本当に学びたいことを学べる最高の時間でした。
卒業後は自宅開業を思い描いていたのですが、一目で恋に落ちるような物件と偶然出会い、スケルトンの状態からの内装、地縁も血縁もない土地でゼロからのスタートでした。
「女性臨床鍼灸ならまち月燈」は、女性専門完全個室の鍼灸マッサージ院です。
母校の同期生と2人で開業しましたが、今は女性鍼灸師4人が曜日担当として勤務し、定休日なしに開院しています。
私以外の先生方は、業務委託として働いていただいています。
この働き方は、東洋医学女子型シェアサロンと勝手に名付けています。
患者さんは10代から70代まで幅広いですが、メインは30、40、50代の方です。
疾患で多いのは、頭痛、首こり、自律神経失調、更年期症状です。
4人の鍼灸師にはそれぞれ得意疾患があり、整形外科疾患、メンタル疾患など、ホームページのプロフィールを読んで、患者さんが上手に使い分けしてくださっている印象です。
また刺激量にもお好みがあるので、てい鍼中心、お灸中心、指圧中心等、色々な選択肢をお選びいただけることが強みであると感じています。
1日5枠の予約枠が、今ではほぼ毎日埋まり、新患さんは2週間後ぐらいまでご予約いただけないぐらいになってきているのが有難い反面残念で、たまたま同じ建物の向かいの部屋が空いたので、そこにもう1ベッド増やしました。
当初はそこも鍼灸院としての営業を考えていたのですが、業務委託でお願いしている先生方は皆ご遠方からお通い頂いているので、担当曜日を増やすことが難しく、リラクゼーションルームとしてセラピストを募集し、主に『ならまち月燈』の患者さんがもっと気軽にお通い頂ける場として、『つきのあかり』と名付け営業しています。
当然のことながら、鍼灸あマ指院は保健所の管轄下にあり、厳守事項が色々ありますが
リラクゼーションは管轄官庁もなくとまどいました。
安易に開業できますが、そのぶん守ってもらうこともできないので
リラクゼーションとしての分を守りながら慎重に運営しています。
按摩、指圧、マッサージはあマ指師だけの業ですが、街中にはリラクゼーション施設があふれ
玉石混交の技術で身体に触れています。
健康法でも医師推薦となると一定のお墨付きとなるように
身体に触れる医療技術職としての鍼灸師やあマ指師が監修しているリラクゼーション施設は
もっと信用を得ていいのではないかと思っています。
そしてそこで目指すのは、マインドフルリラクゼーション。
何も足したり引いたりする必要のない究極のリラクゼーションを提供できることを目指しています。
鍼灸やあマ指で楽になってくだされば本望ですし
「ここに来たら、どうしてかはよくわからないけど元気になる」と仰っていただくのも嬉しいです。
message
「ならまち月燈」では、泥臭い言葉でいえば女性同士の連帯を目指しています。
現代女性は能力が高く選択肢が増えた分、悩み、迷いが多くなっているように思います。
また寿命が長くなり、10代、20代で選んだ選択肢を30代、40代で見直すことができるようにもなりました。
一般的には40代といえば、再就職も難しくなる年代ですが、鍼灸師、あマ指師は40代からが一番脂がのり、今までの人生経験を加味した総合力で勝る魅力的な年代だと思います。
「ならまち月燈」の先生方は、初めから鍼灸師を目指したサラブレッドはいなくて、様々な職業を転戦した雑種ばかりです。
とはいっても、まだまだ子育て中だったり、介護が必要な肉親がいたり、全力フルタイムで働ける人ばかりではありません。
そんな女性が助け合いながら、やはりいろいろな事情を抱えながらも働く女性を応援できる場を作りたい。
色々な個性が揃っていれば、患者さんにも色々なアプローチが可能になります。
私が治せなくても、他の先生が患者さんが楽にして下さる。
パスが回せるというのは、こんなに気持ちが楽になることなんだと、私も初めて知りました。
「氣が合う」ことの大切さは、東洋医学女子ならよくわかっていらっしゃると思います。
技術はもちろん大切ですが、「氣が合う」人との仕事は楽しいし、「氣が合う」患者さんの治療は楽に進みます。
4人の鍼灸あマ指師がいることで、それぞれの先生の「氣が合う」患者さんが集まり、それぞれが温かいコミュニティとなっている「ならまち月燈」は、温かい優しい氣で満たされています。
世の中がコロナによって、分断され、親しい間柄でも距離を近くして接することがはばかられるからこそ、余計に私たちの使命は増しているし、時代に求められていると感じています。
東洋医学女子型シェアサロン、おすすめです。
私たちは大人女性の保健室、というコンセプトで開業しましたが、遠くからお通い下さる患者さんから、
もっと近くにこんな鍼灸院がどうしてないんでしょう?というお声を頂くことが多くなりました。
東洋医学が、現代女性のお悩みに大いに役立つことが分かった今、もっともっと仲間が増えて欲しい。
何事も、点では力を持ちません。
点が線となり、面となって、やっと一般の方に認知されるようになります。
東洋医学女子がもっともっと連帯して、もっともっと東洋医学の知恵を伝えられるようになれば
楽に楽しく愉快に豊かに生きる女子が増えるはず…それが私の本懐です。
一生をかけてやり遂げる、女子の本懐があることはつくづく幸せなことだと思っています。
是非、あなたも遊びに来て、あなたならではの夢を聴かせて下さい。