今月の東洋医学女子
内田明日香
大阪府生まれ
京都府京都市在住
2016年京都仏眼鍼灸理療専門学校卒業
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
東洋医学女子の働き方
2016年京都市中京区に女性専用、完全予約制の「うちだ治療院」を開院
週6日勤務
2020年~京都医健専門学校教育課程編成委員
東洋医学女子の物語
History
大学在学中に結婚、出産。
学業と子育ての両立に悩むも中退し専業主婦に。
2人の子ども、子育てを通してさまざまな人々とのご縁に恵まれ、
穏やかに過ぎていく日常に不満を感じていたわけではないけれど、
学生時代の友人たちが就職し、キャリアをどんどん積み上げていく姿と自分を比べては、
私の人生このままでいいの??と自問自答する日々が続きました。
夫が鍼灸整骨院を独立開院し、裏方としてサポートしていくうちに、私も治療する側に立ちたいという思いが強くなり
30歳の時に京都仏眼鍼灸理療専門学校に入学。
卒業時に全日本鍼灸学会会長賞を受賞。
2016年京都市中京区に「うちだ治療院」を開院。
~健やかで風通しのよい身体であれば、日常はより豊かなものとなる~
そう信じ、10代から90代まで、それぞれのライフステージで抱える女性の身体の悩みと向き合い、
からだとココロの基礎体力を養うサポートをしています。
Story
私の場合、入学以前に東洋医学や鍼灸との運命的な出会いがあり、
鍼灸あん摩マッサージ指圧師を目指したというわけではありませんが、学びを進めていくにつれ、
面白さ、奥深さ、効果を実感しはじめ、現在進行形でますます興味が深まっているという状況です。
幼少期から大学までダンスを続けていた経緯もあり、スポーツマッサージや整骨院での施術経験はあったものの、
鍼灸に関してはほぼ無知で経験もなかったので、入学当初は指圧やあん摩の実技は大好きだし、
わくわくしながら授業を受けていましたが、鍼に関しては正直恐怖でしかなかったことを懐かしく思い出します。
中高生の頃から生理痛や生理不順がひどかったけれど、東洋医学の力で軽減する術があることも知らなかったし、
毎回鎮痛剤を飲んで対処するものと思っていました。
在学中にあまりの生理痛で倒れてしまったことがあり、さすがに将来治療家になろうとしている自分の身体が
これではいけないと改め、学んだ鍼灸を自分の身体に人体実験のように試していたら、
不思議と症状が和らぐこともあり、鍼灸って身体に変化を与えるものかもしれない
と少しずつ東洋医学への興味が沸いてきました。
幼少期に一緒に過ごした祖母が、私が朝目覚めようとしている時、ダンスの練習がハードで足が辛いと訴えたとき、
いつも温かい手で身体を擦ってくれていた肌記憶がしっかり残っていて、
その時の心地よさがあん摩マッサージ指圧師としてのバックボーンになっていることに間違いないのですが、
鍼灸に関しては自信をもって施術できるようになるまで時間がかかりました。
卒業後は夫の院で一緒に働くことも考えましたが、
「雇われている立場と自分が院長になるのとでは患者さんに対しての責任、施術に対しての責任も全く違う。
治療家として一人前になりたいと思うのなら、独立して少しずつでも一人一人の患者さんと
向き合っていくのが良いのでは??」と、
治療家歴でいうと15年先輩となる夫に後押しされ、女性専用の院を独立開業する道を選びました。
開業後に学びを深めたくて参加した勉強会で、私の鍼灸師としてのこれからの生き方、
鍼灸施術の核となる運命の先生との出会いがありました。先生の治療を受けた翌日、
起床時から身体が軽く、なんだか気持ちまで前向きになる感じで、お通じも朝からすっきり爽快。
一言でいうと身体のご機嫌が良い状態。こんな鍼灸経験は生まれて初めてでした。
暗中模索状態だった私の鍼灸施術の視界が開けた瞬間でした。
東洋医学って面白い。鍼灸って面白い。相談しあえる仲間がいるともっと心強い。
みなさんとこれからも共に学びを深めていきたいです。
Message
うちだ治療院を開院して6年目となり、多くの患者さんとのご縁に恵まれました。
ありがたいことにキャンセル待ちの日もあり、
遠くは和歌山、滋賀、大阪などからも足を運んでいただける院へと成長中です。
週6日勤務と聞くと、とてもハードで、自分の時間を過ごすヒマもなく、
自分を犠牲にしながら働いているような印象を持たれるかもしれませんが決してそうではありません。
開院当初はがむしゃらに働いていましたが、患者さんを治療するには気力と体力が相当必要なことを実感しました。
良い施術を長く続けていくためには、まず自分自身の心と体がともに健康であることが大前提だと考えています。
ですので、最近はヨガやピラティスで体調を整える時間もしっかり確保しているし、
子どもたちの行事ごとを優先させて予約を調整したりもしています。
リフレッシュしたい!と思った時には少し休みを取って温泉旅行に行くこともあります。
このような自由な働き方ができるのは開業して働くことのメリットだと思います。
女性は妊娠、出産、子育て、介護等、ライフステージに男性以上に変化がありますが、
それにも対応可能なのではないかと。
私のように独立するほかにもたくさんの働き方の選択肢がもてるのも、この職業の良いところです。
院にはスタッフはおらず、一人で経営しているため、患者さんへの治療以外にも予約管理
blogやSNSの更新、院の掃除に施術着の洗濯にアイロンがけに・・・と
沢山のことをすべて自分行わないといけませんし、全てが自分の責任になります。
でも、自分の性格に合っているなと思うし楽しく働けています。
働き方や暮らし方が多様化し、幸せや豊かさの基準も多様化し、正解が一つではない時代を生きるわたしたち。
自分が選んだ答えを肯定し、自分が選んだ道を正解にしていけばいい。
東洋医学をツールにして、人生がより健やかで豊かなものとなりますように。